津山三十人殺し~3.ぶっちゃけ、詐病だったの?ガチだったの?~
皆様、おこんばんは。
津山事件の都井睦雄ですが
「当時は差別の対象だった結核うんぬん」
てのも事件史にはよく出てきます。
事件を時系列から説明するのは
他のブロガーさんがたくさんされてますので、私は
「社会的・肉体的・精神的に読み解きたい」
と考えてますが(WHOか?)、
この結核だと都井睦雄がどれくらい思っていたのか。
って言うか、ツベルクリン反応検査って当時、すでに存在してましたが、
あんまりポピュラーではなかったのです。
簡単だし、さっさと広めていたらと思うんですが。
↑こーゆーヤツ。
一般的になったのは
戦後の昭和26年の「結核予防法」が決まってからです。
戦前はいろいろデマも広まってて
遺伝的な病気だと言う人も少なくはなかったでしょう。
それにつけても不可解なのは
都井睦雄の持病へのスタンス。
徴兵検査で
「健康だから不合格にしないで」
と泣いたという説、
逆に
「具合が悪いから、しっかり診て欲しい(不合格にして欲しい)」
と言ったという説があります。
何よりショックだったのは
甲乙どころか丙種になった事のようです。
村では他にも丙種になった男性がいますが
この人は耳が不自由でした。
都井睦雄としては
「完全な健康体で仕事も兵役も可能なのは困る。
仕事や兵役にはつけない程度の虚弱にしてくれないかなぁ」
が本音だったのではないでしょうか。
ともあれ、
丙種認定は本人にひじょうに苦痛だったらしく
この時期から
あちこちの医者に行く、いわゆるドクター・ショッピングを始めます。
各医者のカルテを読むと
都井睦雄への印象がみごとにバラバラです。
「栄養状態良好」
とあれば
「青白く神経質そう」
と医者によって受ける印象が違います。
けれど診断はいつも同じ。
「肺カタル」。
で、出される薬も少し炎症を抑える程度の物ばっかり。
当時の診断としては聴診器での聴診。
はーい、胸の音を聴きますよー。
それと打診。
片手を当てて、もう片方の手の指で軽く叩いて音を聴きます。
レントゲンなし。
ツベルクリン反応検査なら一発で分かるのに
せめてレントゲンなら詳しく分かるのに。
ドクター・ショッピングと並行して
怪しい広告の怪しい薬を買い漁ったり
代替医療の本をたくさん買い込んで
変な健康法を次から次へと試したり。
この辺りから、自宅の財産が減ってきます。
姉のサユリが高等小学校卒業後に
補習科のクラスに通わせてる内はまだ地域の男性とも繋がりがあったのですが
中学校の通信講座の教材を取り寄せて
見ただけで挫折。
それこそ、補習科で勉強する事も出来たのに、です。
何か、「極端な白黒思考」が垣間見えます。
「百点が取れないなら零点と同じ」
と言うような。
そんなこんなで
「畑仕事が出来ないくらいの病弱で、
でも結核って診断は嫌」
というファジーな願いは木っ端微塵になる訳ですが、
何でこんな引きこもり&ニートっぽくなっちゃったんでしょうか。
病気に関しては
若い男性に多い肺の疾患(慢性呼吸器不全とか)だったんではないでしょうか。
実際、猟銃持って弾と日本刀を担いで自転車用ランプぶら下げて
三十人も殺傷する基礎体力があったのです。
火事場のバカ力もあったとは言え。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
次回、「泥沼不倫はどこまで本当だったのか」
です。
水